● 歯の根の病気 |
歯の根の病気は、まれに歯の違和感、歯茎の腫れぼったさを感じることも有りますが、ほとんどが無症状に進行します。そのため、レントゲン検査の時に初めて発見されることが多い病気です。進行するとその歯を抜かなければならなくなることも有ります。歯に違和感を感じたら、歯科医に相談されるのが一番です。 |
● 原因 |
神経の中に進入した細菌や虫歯が無くても、加齢により歯の神経や血管が通っている空間(歯髄腔)が狭くなり血液の循環障害が起こることにより、神経が壊死を起こし、その壊死した神経が原因になることも有ります。以前神経を取った歯で有ればその処置が不完全な場合それが原因になることも有ります。この様に原因の多くは歯の根の中に有ります。 |
● 処置 |
歯の神経や血管(歯髄)の形態は樹木の枝や根の様に非常に複雑な形状をしています。よってその歯髄腔内に存在する細菌や壊死した神経などを除去するのは技術的に非常に難しい処置になります。 その様に非常に難易度の高い処置で時間もかかるにもかかわらず、保険治療での評価は非常に低く、この処置を熱心にされる歯科医師は残念ながら余り多くは有りません。 大切な歯を守る上で非常に大切な処置ですので、この処置を丁寧にされる歯科医師は「歯科医師の良心」と自負されています。 |
家庭の歯学 クインテッセンス出版より引用 |
・ 術前 |
左端から2番目の歯は歯の根が二股に分かれています。 両方の歯根の先の部分が黒っぽく見えます。ここに炎症が起こっています。 |
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・ 根管内清掃 |
冠を外し、ファイルという清掃用の器具で、古いお薬(レントゲンで白く見える)と歯根の中に残った壊死した神経などを除去しました。 |
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・ 根管充填 |
歯根の中の神経の通っていた空間に根管充填材を充填。 |
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・ 術後 |
治療後2年6ヶ月、歯根の先の炎症像はほぼ消退。 |
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術後4年。 |
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術後20年、経過良好。 |
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